[1月12日追記]LGBT~マイノリティこそマジョリティ~

1月12日、当記事の最後に「アライ(LGBTの理解者/支援者)として今日からできること」の項を追記しました。


今年最初の坐禅会を1月7日に行い、39人のご参加をいただきました。いつも励まされます。心よりお礼申し上げます。

マイノリティこそマジョリティ

坐禅会の講話は「マイノリティこそマジョリティ」「全国曹洞宗青年会が製作中の映画について」「働くということについて」などでした。

「マイノリティこそマジョリティ」の内容について詳しく知りたいと言ってくださる方が数名いらっしゃったのでここで解説いたします。なお、この講話は筑摩書房発行『これからの日本、これからの教育』前川喜平/寺脇研を引用させていただきました。

前川喜平氏といえば加計学園の獣医学部の新設認定をめぐり官邸の意向が働いたとして告発した人物であり、文部科学省内の官僚天下り斡旋で引責辞任した元文部科学省事務次官です(事実誤認があったらあとで訂正します)。

この本では文部科学省の元官僚である前川氏と寺脇氏が、生涯教育の観点から「経済状況によらず、全ての国民が平等に教育を受けることのできる社会」のために働いてこられた人生を振り返り、これからの教育のありかたについて思いを述べられています。

そういった文脈の中で「世の中で少数派とされる人たちは一体どのくらいいるのか」という話に進んでいきます。

前川氏は初等中等教育局長だった時、性同一障害の団体の方が要望活動に来られ、性同一障害で苦しむ子供達が沢山いるのに学校の先生逹の理解はまだまだ浅いと訴えられ、全国調査の実施や手引書作成の要望を受けたのがきっかけでLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)への関心を持つようになったそうです。

かくいう自分も、知らず知らずのうちに差別的な言葉を使っていた。「オカマ」とか「ホモ」とか。当事者にしてみれば、ひどく傷つく言葉なんです。「めくら」とか「つんぼ」といった言葉と同じなんですよ。そうした言葉を使うことが当事者を傷つけるということを、自覚しないといけない。159ページより

LGBTは国民の7.6%

電通ダイバーシティ・ラボは2015年4月、全国約7万人を対象にインターネットでの調査を実施。上記の数字が発表されました。

7.6%というのは、およそ13人に1人。40人のクラスなら3人がLGBTということになります。坐禅会にお越しの方の中に3人いらっしゃっても何ら不思議ではないですね。

「自分はここにいていい」と思える環境作り

あらゆる人が「自分はここにいていい」と思えるようにならないといけないと考える前川氏は、マイノリティと言われる人たちを考えつく限り書き出したことがあるそうです。その上で、世の中の何%になるのか、資料を調べて計算しました。

その結果は以下の通り。

  • 貧困家庭の子供は16%
  • ひとり親家庭の子供は8%
  • 発達障害は小・中学生の6.5%
  • LGBTは7.6%
  • 食物アレルギーのある3歳児は5%
  • 喘息のある子供は3%
  • 色覚異常は5%
  • 不登校は中学生で3%

このほか在日コリアン、被差別部落出身の人、アイヌの人とか、そういったマイノリティと言われる人たちを、考えられるだけ書き出してそのパーセンテージを足してみると、50%を超えるのです。つまり、多数派になる。

逆説的ですが、マイノリティはマジョリティであるという結論に至った訳です。大多数の人は何らかの意味でマイノリティに属していると考えていいと思うのです…一人ひとりが違う存在なんですね。だから、いろんなタイプのマイノリティがいるということを、自覚しないといけない。165ページより

なんらかの少数派意識を抱えて生きている人の方が実は多数派である。ということです。

偏見にさらされ続けたら、自己肯定感を失ってしまいます。この世の中に自分の居場所はないんだと思いつめて、自死にいたることだってあるわけです。166ページ

どんな講話だったか伝わりましたでしょうか?

そこで「LGBT ALLYステッカー」の紹介です。

LGBT ALLYステッカー

ALLY(アライ)という言葉は理解者とか仲間という意味です。LGBT ALLYはLGBTの支援を行う、ストレートな人、LGBTでない人のことを指すわけですが当事者がALLYだと言っても問題はないそう。

LGBT ALLYのステッカーを机やパソコンに貼っておく。そうすると、私はLGBTに何の偏見もない理解者です、もしその気があるなら私にカミングアウトしてくださっても大丈夫ですよと、そういうサインになるわけです。

こういうステッカーを貼っている人が職場にいる。それだけで救われる思いをする方がいるかもしれませんね。

1枚100円、100枚自費購入しました。

坐禅会に毎回持っていきますので趣旨に賛同された方は100円でお買い求めください。

アライ(LGBTの理解者・支援者)として今日からできること

ステッカー購入元の株式会社トロワ・クルール様による文章です。ステッカーをお求めくださる方はぜひご覧ください。

・周囲に当事者がいることを意識して、使う単語を少し変えてみる

例)「彼氏・彼女」→「つきあっている人(or恋人/パートナー/相方)」

・「男は結婚して一人前」「もっと女らしく」など性別の固定観念を押し付けない

・いわゆる「ホモネタ」で盛り上がっている時

例)「不適切だからやめましょう」「セクハラになりますよ」

・アライであることを積極的に表明する

例)虹色のステッカーを携帯、PCやノートに貼る

・LGBT関連のニュースに関心を持ち、普段の会話やSNSで積極的にシェアする