全国曹洞宗青年会の広報誌SOUSEIの編集に携わらせていただいて4年目になります。
これまで担当した特集は、
- 「教誨師 罪と向き合う」
- 「坐禅会のススメ」
- 「東日本大震災から生まれた歩み 臨床宗教師」
- 「第22期スタート!禅を世界へ、そして未来へ」
など。
今月発行される180号では5回目の特集を担当させていただいています。内容は私の持ち込み企画で「峨山道トレイルランを走ってみたい」というもの。
峨山道トレイルランについてはこちらの動画をご覧ください。
出来が良くて燃えますよね。
石川県能登半島で行われている70km超のトレイルラン大会です。
曹洞宗の峨山(がさん)禅師が二つの寺の住職を掛け持ちしていた時に往来していた道を走るというコンセプトの大会です。
並の青年僧侶が峨山道に挑戦したらどうなってしまうのかを、私ともう1人の広報委員で体当たり取材で検証してきました。
走りながら映像も撮影したので一応動画にしてみました。音楽はmacのGarage bandという最初から入っているアプリでなんとなく作ってみました。
大会前日。素材写真集めの様子。セルフタイマーで撮ってます。シャッター押して急いでポーズを取るという流れで(`・ω・´)
峨山禅師が住職していた永光寺(ようこうじ)の山門
コースの一部として開放してくださっているのです。
山門内側から撮影。
西廻廊を上っていく。こんなところまでコースとして提供してくださっている永光寺さん本当に素晴らしいです!
廻廊を上り切って外に出るとさらに厳しい石段が。
石段を上り切ると曹洞宗の五大老禅師の霊骨遺品を埋納している聖地「五老峯(ごろうほう)」です。
初めて来ました。初めての参拝がトレイルランの大会になるとは思いもよりませんでした。曹洞宗には永平寺・總持寺という両大本山があり、修行も参拝もこの二つの大本山が中心となっています。
なので両大本山から離れている五老峯にはお参りしたことがない僧侶はたくさんいると思われます。
五老峯に参拝。すいません脱帽を忘れまして…余裕がなかったんです。
五老峯のすぐ左手には峨山道の入口があります。明日の闘いにむけて気合いを入れる私。
この白い布はコース内であることを示す印です。コース外には赤い布が巻かれているそうです。白い布を常に意識しながら走らないと間違った道に入ってしまい最悪遭難しかねないので気をつけなければなりません。
我々が僧侶だと気づいた拝観係の方がお茶とお菓子をご馳走してくださいました。
夕方から石川県羽咋(はくい)市でエントリー。
タイム計測用のリストバンド。チェックポイントでこれを専用の機械にタッチすることで通過タイムが計測されます。
選手が山中で遭難したときにおおよその位置を推測もできます。
後援している曹洞宗から参加者にチラシが。
参加者の皆さん、きっと百戦錬磨のエリートランナーなのでしょうね。
あきらかに僧侶らしき方がいらっしゃいますね。
iPhoneで自撮り。
エントリー中の私。
招待選手挨拶。皆さん「走れることに感謝しながら楽しんで走ります」とおっしゃっていました。
夜は同じ広報委員である相棒と市役所前のバーで食事とジュースをいただきながら士気を高めました。
翌日10月22日 午前4時30分頃。スタート前です。走り始める3時間前には起きておきたかったので、この日は午前2時に起きました。
もうこの時点で体調の整えようがないですがそれは皆同じ。
広報の腕章をつけてうろうろしていたら僧侶の方々が声をかけてくださいました。
台風21号がせまる中の開催となってしまい、当日は深夜から雨が。
永光寺の屋敷住職が鈴をめいっぱい大きく鳴らしスタート。
スタートからしばらくして山中に。序盤からものすごい急斜面の連続。
ストイックの極みのような写真ですよね。沿道の応援などありません。体温を奪い続ける雨音と鳥の鳴き声が響くのみ。
太ももが爆発するかと思うくらい登らされた後の下り坂がありがたく感じられました。
体力が尽きてくるとこんな坂でも登るのが大変なのです。ストックを持参されたランナーがすいすい登っていくのが羨ましかった。
小川にかかる簡易的な橋。コース上にはこういう足を滑らせやすい箇所が多くあります。
4時間かかって20km地点の第1チェックポイントまで到着。長い距離を走る大会のチェックポイントにはだいたい補給食があって普通はバナナとかトマト、スポーツドリンクがいただけます。
しかし、この大会の補給食はなんと「塩」。峨山禅師の苦労を味わおうということで、あえてチェックポイントでの補給は水と塩だけだそうです。
その後の顛末はSOUSEI180号でご覧ください。永祥寺のサイトで近日ご紹介いたします。
大会終了後は石川県から東京まで足をひきずって移動し、カプセルホテルに宿泊。
これが大会を通して一番ストイックな体験だったかも。