忌中引き法要とは何か 中陰参りとの関係(永祥寺の場合)

お葬式が終わり、出棺され、火葬が済むと親族は式場に戻り「忌中引き」という法要があります。忌中引きで検索すると「北海道の習慣」「親族が参列する」「参列する際は葬儀とは別で新たに香典を出す」という情報もあります。

私が導師を勤める際は必ず以下のように説明してから法要を開始します。

住職

忌中引きのお勤めです。忌中引き…火葬が終わって最初のお勤めです。そして初七日から四十九日まで一週間ごとの供養をこれからご家庭にお伺いしてお勤めするわけですが、「毎週毎週時間をとってお参りに集まることが難しい」という方のために、この場でお勤めするものであります。そのようなお気持ちでどうぞご焼香ください。

このように、永祥寺においては遺族宅での初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、満中陰(四十九日)法要と毎週都合をつけて通うのが難しい親族を対象に行うものと位置付けております。

忌中引き法要をすると即座に故人が成仏するので四十九日までの供養期間が無くなるというものではありません。ご遺族は中陰の供養を勤めて四十九日間を過ごします。

こういう質問をされたことは一度しかありませんが、潜在的に多くの方が忌中引き法要の意味に疑問を持たれているのを肌で感じます。説明すると「なるほど、そういうことだったのか!」と心の声が聞こえてきそうなほど大きく頷かれる方がとても多いので記事化することにしました。

本当に毎週供養するのか

現状およそ8割以上の方が本当に毎週の自宅でのお勤めをお申し込みされています。

仕事の関係で毎週が不可能な方は初七日、五七日、満中陰(四十九日)法要だけにされたりしています。

十勝管内に遺族親族が全くいない場合は遺骨を永祥寺に保管します。初七日のお勤めを終えたらそれぞれの生活に戻り、満中陰(四十九日)法要に再び集まられるようです。

中陰の解説資料「中陰の旅」

ご遺族には初七日でさらに住職が製作した配布物「中陰の旅」をお渡ししております。イラストは市内のお檀家さんの息子さんに書いていただきました。

 

配布資料内の文章転載について

ご寺院様がお檀家に配布する資料に活用する場合はご自由に転載ください。何かの参考にしていただけたら幸いです。

忌中引きを禅学大辞典で調べてみました

 

宗門の知識を網羅している禅学大辞典には記載がありませんでした。局地的な習慣のようだし当たり前か…